【中小企業診断士2次試験】合格に向けた7つのテクニック

こんにちは。中小企業診断士の西村星彌(合同会社CLEMA)です。
ストレート生の方は一次試験から二週間ほど経って、そろそろ本格的に二次試験の壁にぶつかっている頃ではないでしょうか。

過去問を解いてみても時間が足りないし、模範解答と比べると全然レベルが違う。
「自分は本当に合格ラインに届くのだろうか?」と、不安でいっぱいになっているはずです。

私自身も、かつて同じ悩みを抱えていました。
だからこそ、この記事では 合格に直結する実践的なテクニックを7つ紹介したいと思います。
どれも「一見当たり前だけど、実際にできていない人が多い」ポイントです。
一つひとつ意識するだけで、合格に近づけるはずです。

今話題の「AI勉強法」についても軽く語っていますので、ぜひ最後までお読みください!

80分で「60点の答案」を作る意識を持つ

2次試験は80分で60点を取れれば合格です。まず大前提として、2次試験は80分で60点を取れば合格です。
合格基準はあくまで60点。これを忘れてはいけません。

もちろん「80点を目指してようやく60点」という姿勢も悪くはありません。
ただ私が声を大にして伝えたいのは、「ふぞろいの100点答案」や「予備校の模範解答」は80分で作れないということです。

あの答案は、受験指導のプロが時間をかけて何度も検討し、推敲を重ねた“作品”。
言ってみれば「企業で作られた公式文書」のようなもので、受験生が80分で再現できる代物ではありません。

だからこそ大切なのは、自分にとって再現可能な“マイベスト答案”を作ること
私はこれまで多くの受験生の答案を見てきましたが、人それぞれ必ず「クセ」があります。
そのクセは短所であると同時に、「書きやすさ」でもあるのです。

ならば無理に矯正するのではなく、そのクセを活かして、採点者に伝わりやすい答案に昇華させる。
これこそが実戦で再現性のある勉強法です。

自分のクセをいかしたマイベスト答案を作り、もう一度同じ内容、同じ型、同じキーワード、同じ与件の箇所引用ができているかどうかを確認することこそが過去問勉強の効果的な方法です。

合格者が使っているキーワードを使いこなす

これはふぞろいや予備校を活用できるポイントです。

診断士2次試験は、キーワード採点が強く意識されています。
つまり、合格者が使っている言葉=得点に結びつく言葉です。

一方で、自分で考えたオリジナルのキーワードは非常にリスキーです。
「当日突然天から降ってきたアイデア」が、採点者に伝わらない可能性は高い。

ふぞろいや予備校教材の使い方として最も価値があるのは、合格者が使っているキーワードを把握して自分の答案に組み込むことです。
オリジナルの表現よりも、「正しく伝わる表現」を優先しましょう。

文書の「型」を準備する

文章を書くときの「型(フォーマット)」を持っていると、答案作成はぐっと楽になります。

例えば「事業承継を行った理由」を問われた場合、

  • 「理由は①〜、②〜、③〜、ためである」
  • 「A社は〜、〜のため事業承継を行った」

どちらでも構いません。
採点者に意味が伝われば正解だからです。

ここで重要なのは「自分にとって書きやすい型を見つけること」。
それが自分のクセと合致すれば、80分という限られた時間でも安定して答案を組み立てることができます。

因果関係で書く

ここができているかどうかで、合格するかどうかが大きく変わります。

多くの受験生の答案を見ていると、「因果関係が抜け落ちている」答案が多いです。
つまり、ただキーワードを並べただけ。

わかりやすくするために極端な例を出しますが、A社の人事施策を問われた場合、
「A社は①シフト制を導入し、②中途採用を強化し、③能力に応じた適正配置を行い、④評価基準を明確化し、⑤成果主義を導入し、⑥研修やOJTを行う」

…これでは「なんでその施策をするの?」が全く伝わりません。

これらは、つまり「なんでその施策をするの?」という因果の「因」が抜け落ちて「果」だけ書いているからよくわからん日本語になるのです。

テクニック的には、「①シフト制を導入する」ということを言いたい時に、与件の根拠を拾いに行って「A社社長は柔軟な働き方を検討している」という記述があれば「A社は①柔軟な働き方を実現するため、シフト制の導入」という書き方になれば、因果関係を抑えた伝わりやすい解答になるわけです。

(※本番はこんなわかりやすいヒントが与件にはないので注意)

多面的に書く

これは今までの内容と比べると少し応用的なテクニックになりますが、合格するためにはかなり重要なテクニックの一つです。

社長からアイデアを求められて、1つのパターンだけで解答して社長は納得するでしょうか?社長でなくても、今お勤めの会社の上司でもいいです。「これ、どう思う?」って聞かれて「〜ですね」と1つのアイデアだけで返して「こいつ、使えるな!」ってなると思いますか?

「〜と〜が考えられますね。あ、別の観点では〜もありえるかもしれません」こんな感じでいくつかアイデア提供したらどうでしょうか。「こいつ、やるな」って感じますよね。

この発想と同じで、「助言」系の問題ではかならず、最低2~3要素で書くようにしましょう。仮に3要素かければ、1要素とんちんかんな内容だったとしても残り2つがあってれば得点が入るのでリスク分散にもなります。設問で縛りがない限り、1つのことで展開するのは「高リスク低リターン」だと肝に銘じましょう。

設問要求に忠実に書く

ある程度2次試験に慣れてきたタイミングでこれができなくなるタイミングが訪れます。

キーワードを覚え、自分の型も身についてくると、つい「書きたいこと」を書いてしまいがちになります。
強力な爆弾を開発したら使いたくなるように「力をもったら使いたくなる」という発想ですね。
でも、採点者が求めているのはあくまでも「設問要求に沿った答え」です。

営業で例えるならこうです。
「布団が欲しい」と言っているお客さんに、どれだけ冷蔵庫の魅力を語っても売れません。
でも「布団が欲しい」と言っているときに、布団の良さを説けば売れる。

答案も同じです。
「この設問は何を、いくつ、どう答えてほしいのか」を短時間で見抜く力を養いましょう。

その練習法としておすすめなのが、通勤中に過去問の設問だけを読んで要約することです。
設問だけ読んで、「何と、何と、何を」書く必要があるのかなと頭の中で整理する訓練です。
電車の中や昼休みなどスキマ時間をうまく活用しましょう!

与件ファースト

これも「設問要求に忠実に書く」と同様、ある程度慣れてくるとできなくなるポイントです。「与件ファースト」です。

受験勉強を重ねると、上記のテクニックや、知識・アイデアが頭の中にたくさん詰まってきます。
その結果「与件に書かれていないこと」を答案に盛り込みたくなる誘惑が出てきます。

ですが、2次試験の本質は「与件に基づいて解答すること」
与件に書かれていないことは、基本的に避けた方が無難です。

事例2などで与件に書いていないことを書く必要がありますが、例えば「サブスク」と書いて合格になるケースも、与件の情報から合理的に導ける場合に限られます。
必ず「与件に根拠があるか」を確認しましょう。

まとめ:テクニックは「実際に試し、誰かに見てもらう」ことで初めて力になる

ここまで紹介した7つのテクニックは、どれも一見シンプルですが、実際に80分の試験の中で実行するのは簡単ではありません。
だからこそ「自分で書いた答案を、必ず誰かに見てもらう」ことが大切です。

これからの時代、この「誰かに解答を見てもらう」という行為をAIが代替できるようになるかもしれません。

CLE個別指導の他の予備校や個別指導に対する強みは、私個人が全ての受験生に対応するため「じっくり、解答のフィードバックができる」と言う点です。

この、根幹にある「フィードバック」というサービスをAIが完全に代替するようになれば、私も「お役御免」ということで本サービスを終了しようと思っています。

AIの勉強スタイルが王道になっちまうんだったら今後受験指導業界の熱は相当冷める。それが正義だっていう診断士シーンなら俺は抜いた刀をそっと収めるよ。

って言う思いです。(FORKさんのサンプリングです)

とはいえまだAIを駆使した勉強方法が確立していない現時点では、「AIだけで合格できる」と思い込まない方が良いと思います。
確率のお話で、「AIを活用のみで合格できました!!」という実績が少ない現状では、その勉強方法の再現性が低いためです。

宣伝にはなってしまいますが、AIは部分的に活用しつつ、個別指導を活用し第3者の視点でみてもらうことがポイントになると思います。

CLE個別指導にせよ、予備校にせよ、AIにせよ、自分一人では気づけないクセや誤りを、第三者の視点で修正してもらうこと。
この環境を持てるかどうかが、合否を大きく分けます。一つ確かなことは、完全独学で部屋に引き篭もった勉強方法だけは要注意です!

CLE個別指導で合格を掴もう

CLE個別指導では、受験生一人ひとりの答案に対して、1時間みっちりフィードバックを行います。
昨年の合格率は60%。予備校との併用も歓迎しています。

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